
アイランズウイスキー概要
「アイランズ」とはアイラ島以外の島々の総称で、ウイスキー産地のひとつというより、そのエリア全体を指すというイメージです。分かりやすく言ってしまえば「その他の島々」といったところ。
スコットランドの海岸沖に点在する約800の島々のうち、モルトウイスキー蒸留所はアラン島、ジュラ島、ルイス島、マル島、オークニー諸島、スカイ島、アイラ島にあります。このうちアイラ島だけは非常に多くの蒸留所が集まっているため、アイラ島は独立したスコッチウイスキーの生産地域に分類されます。そしてその他の島々がアイランズに指定されています。
アイランズに分類される蒸留所は地理的に広範囲に渡るため、製造されるスコッチウイスキーの特徴も大きく異なります。そのため「アイランズ」という分類は、ウイスキーのスタイルというよりも純粋に場所を示すものと考えるべきでしょう。
アイランズは以下の島々を指します。
- アラン島
- ジュラ島
- ルイス島
- マル島
- スカイ島
- オークニー諸島
- シェトランド諸島(ここには蒸留所は無し)
※地理的にはアイラ島も近いが、蒸留所の多さや特徴的な味により「アイラ」として独立。
アイランズウイスキーの味や香りの特徴
スパイシーなタリスカー、甘さとピートが効いたハイランドパーク、ノンピートでスムースなアランなど、蒸留所によってさまざま。「アイランズウイスキーはこう」というより、島ごとの特徴や蒸留所ごとの特徴で語るべき地域でしょう。
島と蒸留所の特徴をかんたんに解説
アイランズに属する蒸留所はそこまで多くはありません。どの島にどの蒸留所があるのか、またそれぞれの味の特徴をかんたんにまとめます。
アラン島
■アラン蒸留所[1995年設立]
ピート香が少なくクセも少ない。フルーティーさが主体で、フローラルでスパイシー。
ジュラ島
■アイル・オブ・ジュラ蒸留所[1810年設立]
穏やかで甘く、オイリーで塩気も感じられる。軽くピートが効かせてある。
ルイス島
■アビンジャラク蒸留所[2008年設立]
スモーキー、スパイシー、ハーブ香などの複雑な味だが、まだ味にまとまりがないとも言われる。
マル島
■トバモリー蒸留所[1798年設立]
[銘柄]トバモリ―
ノンピーテッド。麦の甘味、フルーティーさを感じつつ、潮気と樽の香ばしさを味わえる。
[銘柄]レダイグ
ヘビーピーテッド。スモーキーで柑橘系の香りもある。ミント、クッキーの香ばしさと潮気を感じる。
スカイ島
■タリスカー蒸留所[1830年設立]
独特のコショウのような味わいと、塩辛さや海藻系の味わいが混ざる個性的な味。
オークニー諸島
■スキャパ蒸留所[1885年設立]
ノンピートでクセがない。トロピカルフルーツや洋梨のようなフルーティーな香りに、バニラの甘さ。
■ハイランドパーク
世界で最も北にある蒸留所。モルトは万能で、スモーキーでフルフレーバー。
アイランズウイスキー豆知識
シェトランド諸島のウイスキー
蒸留所は無いのですが、スペイサイドからウイスキーを持ってきてなぜかシェトランド諸島のウンスト島というところでで1年熟成させた「マックルフルッガ」というウイスキーがあります。味は、熟した果樹園の果物、ドライレーズン、濃厚な蜂蜜、そして甘いシェリーのタッチ。